第45章 ※心配性と解決法
「杏寿郎くん…。お布団ありがとう。」
桜は赤くなった頬を隠しながら杏寿郎の手を引いて布団へ向かった。
一方、杏寿郎は跳ねた肩と顕になっている赤い耳を見て笑顔になる。
杏「俺の事でも考えてくれていたのか。」
図星をつかれると桜は観念した様に振り向き、布団を捲って入るように促しながら頷いた。
「……余裕ができたと思ったけど やっぱり杏寿郎くんには感情を揺さぶられるな…。」
そう小さく呟きながら自身も布団に入ると抱き締めてきた杏寿郎の背に腕を回す。
そのまま胸に顔を埋めると桜はすっかり明るくなった部屋の中で眠りに落ちたのだった。
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炭「『俺が粗相をした。放っておいてくれて構わない。――杏寿郎。』……。そんな匂いはしないけど…。」
善「炭治郎…っ!その布団から離れろ!!それは本当に放っといていいやつなの!」
炭治郎は少し不可解そうな顔をしたが善逸から心配の匂いがした為 すぐに切り替えて微笑みながら頷いた。
炭「分かったよ。それにしても早起きだなあ。」
善「これから眠るところだよ…煉獄さんが起きたら俺も起きるから……。」
炭「………えっ!?」
炭(煉獄さんまだ起きないのか…。任務が大変だったんだな。善逸はきっと帰ってきた音で起きてしまったんだ…。)