第45章 ※心配性と解決法
(あ、故障してしまった……。相変わらず面白い…。)
桜はその隙に礼をする様に軽い口付けをすると羽織りを着てから濡れてしまった布団を持ち上げ、すっかり明るくなっている外へ干しに行った。
(うう…寒い……。)
水分を含んだ布団は桜が予想したよりも重かった。
桜が物干し竿を目指しながらずり下がる布団を何度か持ち直した時、それがふわっと軽くなる。
杏「こういった事は俺に任せて良い。部屋に戻って布団に包まっていてくれ。俺が気が気でなくなる。」
「………うん。ありがとう。」
自身のせいで濡れてしまったので少し迷ったが、桜は素直に礼を言うと離れへ向かって走って行った。
(可愛いけど……みのるや千寿郎くんと違う。かっこいい。)
離れに入って部屋へ向かいながら桜は頬を染める。
(同い年…か……。でも立道くんとも違う。もっと……もっと、)
杏「桜?まだ布団に入っていなかったのか。」
部屋に入って立ちながら考えていた時、真後ろから声を掛けられ桜は肩を跳ねさせた。