第45章 ※心配性と解決法
「別に余裕しゃくしゃくーってわけじゃないんだよ。この通りどきどきするし、体を見せるのも恥ずかしい。杏寿郎…くんを見ると、頬だって熱くなる。」
それを聞いた杏寿郎は変化した点にばかり目がいっていた事に気が付く。
よく見ると桜は抱えた膝で胸を隠し、杏寿郎の欲が自身から出る様は見えないように手でしっかりと隠していた。
そしてその頬は見慣れた赤に染まっている。
「…………ね?」
桜が眉尻を下げながら優しく微笑むと杏寿郎は目を細めながら微笑み返し、桜の髪を撫でた。
杏「ああ。いつもの笑顔だ。」
何度か撫でた後 杏寿郎は桜に掛け布団を掛けてから桶と手拭いを持って立ち上がり、襖の前で一度足を止めて振り返ると桜に再び微笑みかける。
杏「水を替えてくる。温かくしていてくれ。」
「…うん。ありがとう。」
杏寿郎を見送ると桜は自身の頬に両手を当てながら顔を膝に埋めた。