第44章 ※ずるい人
(杏寿郎さんがちゃんと寝たのを確認したら一人でしよう。これだけくっついていれば杏寿郎さんは深い眠りにつく…。とにかく連日はなるべく避けないと。)
―――
(やっと寝息に変わった…!)
桜は杏寿郎の高い体温に釣られる様に熱くなった体を抑える事から解放されて深く息をつくと 小さく断りを入れてから杏寿郎に口付けた。
(珍しい…口少し開いてる。)
少し迷いながらもその先に舌を入れると杏寿郎のそれを優しく撫でる。
普通の口付けとは全く異なる魅力に桜の視界に星が散った。
桜は少しだけ自身の浴衣をはだけさせると既に蕩けている場所へ手を伸ばし 杏寿郎の首に顔を埋めながら熱い吐息と抑えた甘い声を漏らす。
杏「その気が無かった訳ではないのか。」
今回は確かに寝息がするまで慎重に待っていたことから少し大胆に自慰をしていた桜は体を大きく震わせた。
そして喉をこくりと鳴らすと顔を上げないまま杏寿郎の次の言葉を待つ。
杏寿郎はその様子に首を傾げた。