第44章 ※ずるい人

(今の杏寿郎さんはずるい人になってる。こんな時に一回でも言うことを聞いたら明日からの生活はとんでもない事になる…。)





杏「桜。」




杏寿郎は呼び止める様に名を呼ぶと目を開けさせようと瞼に口付けを落とす。




杏「頼む。」




そう頼みながら固くなったモノを押し付け、桜の額に口付けをして誘うも桜は粘り強く耐え続けた為 杏寿郎はとうとう眉尻を下げた。




杏「むぅ。一人でしなくてはならないのか。」




寂しそうに小さく呟くと杏寿郎は自身の浴衣をはだけさせて昂りを取り出す。

その時 桜が緊張し体を強張らせたのを感じた。


自身に向けるものと違う僅かな恐怖を孕んだ緊張感に杏寿郎は少し驚いた様な顔をする。




杏「………すまない。あの男達を思い出させてしまったか。無理矢理口に挿れたりはしないので安心してくれ。」




そう言いながら杏寿郎が努めて優しく頭を撫で始めると反応しないように耐えていた桜は心底困った様に目を開けた。