第8章 覚悟と条件
千「まず、気が張ってたり、怖いと思った時に猫の姿になるのは決まりですね。ただ…、」
千「…兄上については変です。確かに兄上は桜さんの苦手な若い男性ですが、怖くないと本人が感じているのに何で…」
千(それに目で確認してない時もって…まるで桜さん以外の人が操作しているみたい…)
千「それなのにぽかぽかして寝た時は兄上の前なのに人に戻った…。気絶との違いは睡眠の深さの違いでしょうか…。」
―――それから…
千寿郎は眉を寄せる。
千(桜さんが過去の話をした時はかなり気を張っていたはず……。)
そんな千寿郎に気が付かない様子の桜は、少し考えてから、
「ユキが私を守ろうとして姿だけ表に出てきちゃったとかだったりして…。」
と言って小さく笑った。
千「…え…………。」
千寿郎は固まった。