第8章 覚悟と条件
千「……えっ…あ!!」
「う、うそ!!!」
二人はこの間の悪さに激しく動揺した。
その声に父親が振り返る。
そこにいるのは自分の息子と、その息子とあまり変わらない大きさの白猫。
父(何だこの生き物は…それにさっき人の言葉を喋らなかったか…?)
これには流石の父親も戸惑う。
千「ち、父上!その……こちらが、先程話した方です。」
(せ、千寿郎くんこのまま進めるのね…!合わせなくちゃ…!! )
「…は、初めまして。一ノ瀬 桜と申します。こちらでお世話になることを許して頂きたく、お部屋に伺いました。」
そう言い、顎が床に付くまで頭を下げる。
父親はしばらくの間 戸惑った様子で二人を見つめていたが、急に興味を失ったような目になり背を向けてしまった。
父「好きにしろ。」
そう言われて余裕のできた桜は初めて部屋の異常さに気が付いた。