第40章 ※ベッドの扱い方
「約束…また破りそうになったので 今日はもう終わり、です…。」
杏「だが、そのままでは辛いだろう。」
「ひ、一人で出来ますので…!すみませんが、立てそうにないので私の部屋で寝て下さい。おやすみなさい。」
そう言って桜が掛け布団にすっぽりと隠れて本当に一人でし始めると 桜が軽く拗ねただけだと思っていた杏寿郎は口を薄く開けたまま固まってしまった。
そしてピアノを弾いてから焦らされていた桜が放った強い色香を受けると額にビキッと青筋を浮かべる。
杏(これは…耐えられそうにないな。)
杏「………桜…、すまなかった。頼む。今度こそ優しく愛すると約束するので抱かせてくれ。」
執拗に受けた口付けで余裕を失くしていた桜が返事の代わりに甘い声を返すと杏寿郎は自身の洋服の中が濡れた感覚を覚え下を向いた。
杏「…よもや………。桜…、桜。情けない事に…、君の声だけで服の中に収まったまま出てしまった様だ……。」
少し呆けた様な気落ちした声に桜は思わず閉じていた目を開けてバッと布団から顔を出す。
「……えっ…?そんな………ご、ごめん、なさい…。」
落ち込んだ杏寿郎の様子が余りにも可哀想でそう謝ると杏寿郎は眉尻を下げて小さく微笑んだ。
杏「君のせいではない。それに少し頭が冷えた。粗相をした幼子の様で恥を覚えるが 君を都合の良い様に手篭めにしようとした罰だと思おう。」
そう言いながらベッドから下りると 杏寿郎は被害を最小限に留めようと急いでベルトを緩め始めた。