第40章 ※ベッドの扱い方
それにハッとして桜が杏寿郎を見ると杏寿郎は感情を読みにくい真顔で桜を見つめ返していた。
「今のは、」
杏「今日は随分と悪い子だな。」
「い、今のは!杏っ」
杏寿郎はその先を待たずに口付けし舌を入れる。
『ただの勘違いなのだからこのまま杏寿郎のペースに飲まれてはだめだ』と桜は杏寿郎の胸を押し返そうとしたが、やはり上手くいかず 長く舌を絡められているうちに抵抗する腕はとうとうベッドへ落ちてしまった。
それを確認すると杏寿郎は満足そうに微笑みながら顔を離す。
しかし桜はくたりと横たわりながらも 杏寿郎が放った言葉に反して楽しそうである事に気が付いて少し怒った様に眉を寄せていた。
杏「わざと撫でたと分かられてしまったか。」
「……………今日……は………?」
杏「うむ、優しく愛す日だ。しかしこうすれば体が疼いて激しく愛す方を求めてくれるかと思ったのだが…どうやらまだ時間が足りていない様だな。」
そのあまり反省していない様子を見ると 桜は息を切らしながらも猫の様に丸くなって杏寿郎に背を向けた。