第1章 神様が望んだ関係
柔らかく答え、尻尾で桜の体を暖めるように包む。
『桜。』
今度は逸らさず桜を見つめる。
桜もまた、見つめ返した。
『私を愛してくれないか。』
桜が少しだけ首を傾げるようにした。
それを見て白猫は目もとを綻ばせる。
『桜はおばあちゃんの事が好きだろう。それと同じように…私の事を愛してほしい。』
ひと呼吸置いて、再びゆっくりと口を開く。
『――…人として。』
白く大きな猫は、そう告げるとゆっくり瞬きをした。
『お願いだ。』
「神様じゃなくて…人として……。」
桜は真剣な顔で呟く。