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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



『また負けた……』


「ふふ、弱いのね」


唯一知っている遊びのババ抜きでさえも10連敗。


「他のゲームをしましょ。ページワンは知っている?」


私は首を横に振る。


「じゃあ、教えてあげる。ルールは簡単よ」


ウィラさんの説明を聞いていると、「楽しそうですね」と誰かに声をかけられた。


「私もご一緒にいいですか?」


顔を上げて見てみると、あのハンターだった。


『……!!』


──なんで話しかけてくるの!?


心臓が握り締められたように、苦しかった。


ブルブルと私は怯える。


今1番関わりたくない人から話しかけられた。


「そうね、人数が多い方が楽しいからいいわよ」


そう言ってウィラさんは承諾した。


私は、えっ……とウィラさんの方を見た。


ウィラさんにはあのこと何も話していないから、ウィラさんは何も悪くない。


だけど……


「そちらのお嬢さんは」


ハンターが私にも尋ねてこっちを見る。


怖い……


咄嗟に顔を逸らした。


──どうしよう…ここで断ったら変だよね…でも……


『あ、え……………
い、いい、です、よ……』


自分も、何故か承諾してしまった。
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