第5章 T.04
「それで、」
「そんで?」
なぜか気まずそうに目を逸らすイギリスに、疑問を持ちながら話を聞き返す。
「由真をよろしく、って」
「へぇ……?」
神様によろしくされる覚えはないが、連れてきた以上そういうことになるのかな?
ってかイギリスは私の保護者か。
そして気まずそうにした意味が分からない。まあいいか。
「神様によろしくされちゃったしなぁ……これはまだまだ帰れないのかなぁ…」
昨日作ったスープに口をつけながら呟いた。こっちのスープはすすっちゃいけないんだよね。何度かイギリスに怒られた。
「そのことなんだけどさ」
イギリスも朝食を食べながら、私に話かけた。
「そのことってどのことよ?」
「お前が元の世界に戻れるか戻れないかの話だ」
なんとなく真面目な雰囲気に包まれ、私はテーブルにスプーンを置いた。
そしてそれとなく、冷たい空気が漂う。
「俺、由真の足が治るまでうちに居ていいって言っただろ?」
「言ったねぇ。足とか、もう忘れるくらい治ってるけど」
「それ、撤回するわ」
冷たい空気を刺すようにバッサリとってられたその言葉。
撤回?鉄火巻きの間違えじゃないよね!……違うね、うん。