第4章 T.03
「ほらよ」
「わーいイギリスありがとう」
私の目の前には美味しそうなパン!
ああ!パン美味しそう!
昨日のアレとは大違いだ!うふふ!
昨日、私が「まっずううううう(以下略)」と叫んだテーブルで今は朝ごはんを頂いている。
朝ごはんにはイギリスお手製料理はない。パンとサラダと紅茶。
一見質素にも感じられるがイギリスの料理と比べたら天と地の差だ。月とスッポンなのだ!
切られたパンにいちごジャムをべたっとつけて、ぱくりと食べる。
「うん、美味い!!超美味い!イギリスの手料理とは大違い!」
「ケンカ売ってんのかてめぇ」
「ケンカなんへ売っへも、もぐもぐ儲かりまへんよもぐもぐ」
「ああもう食べながらしゃべるんじゃねえ!…ったくアメリカじゃないんだから」
「もぐもぐ……ごくん。…アメリカ?」
ちゃんと言われた通り飲み込んでから質問する。
まあ、質問せずとも知ってるんだけど、一応初対面的な設定になってるしね!
「そ、アメリカ。知り合いなんだけどさ、お前みたいに昔っから物を食いながらしゃべるんだよなぁ…あのメタボめ…」
説明をしていたはずがだんだん愚痴になっていくイギリスを眺めながら、私はサラダに手を伸ばした。
いやあ、アメリカのことを気にかけるイギリスかわいいなあ。