第4章 T.03
「う……」
重い瞼を開く。
地味に目覚めが悪い。なんだか意味のわからない夢を見たせいだ。もやもやしたままではっきりしない。
薄っすらと開いた両目で見えるのは、全く馴染みのない天井。
ああ、そうかここは元の世界ではない。
寝て起きたら戻ってるなんて甘いもんじゃなかったのかー…ちくしょー…。
起き上がりながら寝癖のついた頭を撫でる。
ベッドから立ち上がろうとゆっくり足を付くと、昨日よりは痛みはなかった。
これなら結構歩いても平気だな、きっと。
捻ったとかいうのはイギリスの脅しだったんじゃないかーなんてこっそり思った。
部屋を出て、リビング的な部屋をそっと開けるとそこにはイギリスがいた。
「あっ、イギリス……お、おはようございます…」
「由真か、Good Morning」
「ぐ、ぐっともーにん!」
寝て覚めてみると、目の前にイギリスがいるということに緊張感が戻ってきて、つい変な口調になってしまった。
やっぱり、今まで液晶の向こう側にいた彼が目の前にいる、ということになかなか現実味が持てない。
でもこれが本当なんだ。
目の前にイギリスはいる。
それは紛れもない事実。