第33章 風邪
「…ただいま……」
明るい時間に紙袋をどっさりと抱えて帰った私を、実弥がぎょっとした目で見ていた。
「何だその荷物…」
「色々あったんですよ…もう疲れたし、私お風呂入って寝るからご飯適当にしといて…。」
「は?お前は食わねえのか」
「何かもう…いっぱいいっぱいです…」
カナエがいろんなところに連れていってくれて、たくさん話を聞かせてくれて、筋力も大してないヒョロヒョロの私には限界な訳で。
私はさっさとお風呂に入って、ソファベッドに寝転がって部屋の電気を消した。
(…頭…ガンガンする……)
あれ、でもおかしいな。
………動き回って疲れただけで、こんなことになるかな…。