どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第4章 共同任務
「イノセンスの第二開放って知ってる?」
「あぁ、言葉だけなら聞いたことあるさ。でも、まだできない。」
「そう。第二開放はね装備型の特権なの。ぼくみたいな寄生型はできない。だから早く習得しな。」
「え?アユムって装備型なんじゃ…」
そういえばこいつは知らないんだった。と思う。ぼくのイノセンスは普通とは違う。
「ぼくのイノセンスは2つで1つなの。見てて。」
ぼくはそう言って腰のフォルダーから『2つの棒』を取り出す。2本をまとめて左手に持ち、右手で腰の布をめくる。
ラビはぼくの足を見るのは初めて。
赤黒く変色した足を見て息を飲むのがわかった。
「こーやると、ほら。」
太腿に埋め込まれている緑色の十字架。十字架こと、イノセンスに『2つの棒』が吸い込まれていく。
「すげぇ。」
ラビがそう呟くのが聞こえた。
「取り出すのはこう。」
そう言って、頭の中で念じながらイノセンスに左手をかざす。
すると、さっきとは逆で、ゆっくりと『2つの棒』が出てくる。
「取り出すのに時間がかかるでしょ。だから普段は腰のフォルダーに入れてるの。小さい頃の記憶はないんだけど、記憶にある限り、ぼくの左足はずっとこう。多分生まれた時からこうなの。左足はイノセンスの約7割。残りの約3割を武器化してもらってるだけ。」
「なんで1つのイノセンスが2つに分かれてるんさ?」
「そんなの知らない。イノセンスの気まぐれじゃない?」
「イノセンスに意志なんかあんの?」
「わからない。でも無いわけじゃないと思う。」
「もっとアユムのイノセンス、詳しく教えて!」
「今はこんなこと話してる暇じゃない。任務が終わって、ぼくがあなたと話してもいいと思えたらね。」
ラビを見ると少しシュンとしていた。落ち込んでいるのか。
「ねぇ、そこのファインダーさん。この人のこと手当てしてあげてよ。いつAKUMAがこっちに向かってくるかわかんないし。」
「これくらい平気さ!オレも戦う。」
「どうやって?ぼくがどうするか考えるから大人しく手当てしてもらいなさい。」
ぼくがそう言って、その場に座り込み、考え始めるとラビは大人しく手当てされていた。