どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第14章 巻き戻しの街
アレンは窓から身を乗り出してミランダの服を掴む。
「エクソシスト?」
「はい。てか、なんで逃げるんですか。」
アレンはもう手を伸ばすのが限界なのか、声が少し掠れている。
「ごめんなさい。なんだか状況反射で。」
店の中に戻ったミランダはアレンとリナリーと向き合って座る。
「私はミランダ・ロットー。嬉しいわ、この街の異常に気付いた人に会えて。誰に話しても馬鹿にされるだけで、ほんともう、自殺したいぐらい辛かったわ。でも、蛇は避けられるようになったんだけどね。うふふふふふ。」
ミランダは黒いオーラを出して不気味に笑う。
(この人だいぶ、)
(きてるっぽい。)
アレンとリナリーは思った。
「ミス・ミランダ、あなたには街が異常になり始めてからの記憶があるの?」
「えぇ、街のみんなは忘れてしまうみたいだけど。ねぇ、助けてよぉ!私このままじゃノイローゼになっちゃう!あなたさっき変なのから助けてくれたでしょ!助けてくれたならもっと助けてよぉ!」
ミランダは泣きながらアレンの手を掴む。
もうアレンも涙目。
「落ち着いて、ミス・ミランダ。助けるからみんなで原因を探しましょう。」
「原因たって。」
「一番最初の28日になにかあったはずよ。心当たりない?」
リナリーも呆れる。
「気づいたらずっと10月28日だったんだもの!!」
ミランダが叫ぶ。
そのとき、アレンの左目が黒く変色する。
AKUMAが近くにいる証拠。
「どうやら彼らも、街の人とは違うミランダさんの様子に気づいたようです。なぜ、ミランダさんが他の人とは違って奇怪の影響を受けないのか。それはきっとミランダさんが原因となったイノセンスに接触している人物だからだ。」
ミランダは叫ぶ。
リナリーも立ち上がり、イノセンスを発動する。
「リナリー、ミランダさんを連れて店を出て。君の『黒い靴』ならAKUMAを巻いて彼女の家まで行けます!」
アレンはAKUMAと戦いながら言う。
リナリーもわかったと返事をし、ミランダを連れて店を出る。
「レベル2のAKUMAが3体。」
アレンはAKUMAを見据える
その頃ミランダはリナリーに運ばれていた。
アレンのいる方角に手を伸ばし、
(せっかく私を救ってくれそうな人と出会えたのにぃ)
と涙を流していた。