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追憶【レイトン教授】

第10章 【魔人の笛】第六章――神に選ばれし男――







ルークに案内され、黄金宮が眠っていると言われている場所まで歩く。
そして、魔人に抉られたとは思えない道へとでた。
どうやら地盤沈下の影響で、地面はひび割れところどころ陥没しているようだ。
地盤沈下と魔人、この二つは果たして関わりがあるのか。
それはまだわからないが、レイトンたちは足元に気を付けながら道を歩く。
しばらく歩くと、開けた場所へと着いた。
つぎはぎだらけのテントや、発掘の際必要な工具や危険と書かれた火器類などの入った箱があるところをみると、ここは発掘隊の拠点だということがみてとれる。

「こんなに荷物があるのに、人がほとんどいませんね」
「そうりゃそうさ。ここには黄金宮が存在しないって結論に至ったんだからな」

じーっと観察をしていたがぽつりとつぶやくと、それに応えるかのように後ろから声がした。
振り向くと、そこには高身長の男性が を見下ろしていた。
ナディンと名乗った男性は、どうやら黄金宮の調査隊のメンバーのようだ。

「黄金宮が存在しないとは?」
「この奥の発掘現場に行けばわかる事だが、この町からは何ひとつでてこなかったのさ」
「……」
「かつての文明を匂わせるような代物も人の生活や建物があったって事すら、何ひとつだ」

黄金宮が存在した時代には巨大な生物が生きていたって話もあったようだがその名残もないという。

「痕跡がなにもないと言うのはおかしな話ですね」
「もしかしたら俺たちが思っていたより下層に存在していたのかもしれんがね」
「しかし、この町の地下には水源が豊富に走っているはずです。その下に黄金宮があると?」

いつの間にかレイトンも話に加わっていた。
訊くのに夢中になりすぎて彼の気配を感じ取ることができなかったは驚きのあまり肩を大きく震わせた。
まだ跳ねる心臓を抑えながらもナディンに話に耳を傾ける。

ナディンは水源の下にもしかしたらあるかもしれないという仮説を言ったが、それはあくまで仮設の話。
言った本人も信じてはいないようだった。
見付からない限りそれは机上の空論に過ぎない。
最もな意見だ。

「ナディンさんは、見つからないのになぜここに?」
「この荷物だよ。置いていくわけにいかないだろ。撤収したいが魔人のこともあってな。しばらくは見張りでここにいるってだけだよ」




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