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追憶【レイトン教授】

第9章 【魔人の笛】第五章――魔女の凄む家――






あの日、ルークに声をかけてくれたユラは決して魔女と言われる人間ではなかった。
今みたいに拒絶をするような人間では。

ルークは嬉しかったのだ。
友達ができたこと、声をかけてくれたこと、一緒にあの星空を見上げたこと。
優しいユラのことを知っているから、魔女のはずがないと。

「どうしてウソをつくの?」
「ルーク……」

この場でルークだけがユラを魔女ではないと言い張った。
それでもユラは自分は魔女だと、ルークに言い聞かせる。
災いをもたらす魔女だと。

「ユラ!!」
「帰って‼」

二人の悲痛な叫びが部屋に木霊する。
まるで子供の喧嘩のようだと#NAME1#は思ったが、ユラが何かを隠していると言うことは感じ取れた。
二人の言い争いが部屋の外まで聞こえていたのか。
庭師のデムスが慌てて部屋の中へ入ってくる。
怒り狂うデムスにレイトンたちは部屋の外へと追い出される。

慎重になるべきだったと各々反省しながらも、ユラの頑なな態度にはレイトンも違和感を覚えたようだ。
屋敷を出たあと、ルークにユラについて話を聞くと彼女は重い病を抱えてもう長くはないという。
腕のいい医者でも彼女の病気は治らず、それが原因でユラは心を閉じてしまったのではないかと。

「ユラは魔女なんかじゃない……絶対に違う」
「ああ。魔女ではないと言うことを証明できれば、彼女も少しは心を開いてくれるかもしれないね」
「落ち込む暇なんてないよ、ルーク。あんたがしっかりしなくちゃいけない。そうだろ?」
「そ、そうですね!」

今までずっと下を向いていたルークは顔をあげ、大きくうなづいた。
さてと、とこれからどうするべきかを考えているにレイトンが声をかける。

「どうやら奥の方に湖畔があるみたいだよ。そこを見てからもう一度調査に戻ろう」




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