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追憶【レイトン教授】

第5章 【魔人の笛】第二章――世界の終わりを予言する少年――






思ったよりもエリーノース地区は近かった。
今彼らがいるところはエリーノース公園で、綺麗な花々や噴水などがあり、天気のいい日や休日などは親子で遊びに来てるのかもしれないが、今はそんな雰囲気はどこにもない。

ここに来る間も町の人に話を聞くことができたが、興味深いことを話していた。
魔人がなぜ現れるかは知らないが、ここのところ地盤沈下や異常な濃霧にも悩まされていると言う。
観光地として名高いミストハレリはもうどこにもないと言った。

・町にたちこめる濃霧
魔人が現れるときには、前も見えないほどの濃霧が立ち込めるらしい。
通常の霧とも様子が違うようで、住人曰く、数歩先すら見えないほどの霧の濃さのようだ。

先ほど記したメモの内容を見直し、静かに閉じた。

「ところでルークくん。手紙のあれってどういう意味なの?」
「え?」

エリーノース3番街に魔人が現れるとのことで、向かおうとした時レミがルークに手紙の内容を聞き出していた。
足を止めるルーク。
手紙には『助けてください』と書いてあったのをは思い出した。
何も答えないルークの代わりに、答えたのはレイトンだった。

「私は試されたんだよ」
「え?」
「君は誰かが屋敷から自分を連れ出してくれることを望んでいた。あれはそれを意味したメッセージだね」
「……」
「つまり、あの屋敷にはなにか秘密があるってことか」
「君は自分がそれを知っていることを、あの屋敷の人間に気づかれないようにしている……」

レイトンの指摘にルークは目を大きく見開く。
出会ってまだ数時間しか経っていないと言うのに、そこまで見抜かれているとは思いもしなかったようだ。

「さあて、ルークくん。話してくれないかな?この町で何が起こっているのかを……」

少し意地悪そうに眼を細めるレミ。
しかしルークはまだ何も言えないという。
どこか怯えた様子もうかがえるが、それは何に恐れているのかはまだわからない。

「いいさ、話したくなったらでね。まずは、魔人が現れるという今夜が問題だ」
「だとしたら拠点が必要ですね。スムーズに調査を進めるためには」
「エリーノース3番街にホテルがあったはずです。そこに部屋を取ればいいんですよ」





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