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追憶【レイトン教授】

第5章 【魔人の笛】第二章――世界の終わりを予言する少年――






途中で、図書館を見つけたはふと足を止める。
振り返る彼らは彼女の視線の先へと目をやると同時に、は入り口前へと走って行った。

遠目から彼女の様子を見ていたレイトンたち。
扉に手をかけたかと思えば手を離し、じっと動かず何かを見つめていたかと思えば、天を仰ぎ大きくうなだれた。
そしてまた先ほどと同様に小走りでレイトンたちの前へと戻ってくる。

「休館日でした」
「なにか図書館に用事でもあったんですか?」
「図書館に行けば、魔人について何かわからないかなって思っただけ」
「また明日来るとしよう。それまでに私たちで情報を得なければ、図書館に行っても無駄骨になってしまうかもしれないからね」

たしかにな、と頷きながらは軽い足取りで歩き出す。
しかしそれでも、今夜までに何かヒントさえわかれば早くこの事件を解決できるかもしれないと思うのもたしかだ。
そんな彼女の心情を察したのか、レイトンはの名前を呼ぶ。

「そんなに焦らなくても、この事件は私が解決してみせる。だから君は君らしく、慌てないで周りを見てごらん」
「……はい」

どうやらは余裕をなくしていた。
だからこそレイトンは諭した。
余裕がなくては見えるものも見えてこないと。
それは昔、まだが大学生だったころにレイトンに言われた言葉。

「……すみません、少し急いてました。気を引き締めます」

軽く息を吸って吐いた。
そしてゆっくりと目を閉じてまた開ける。
先ほどの余裕のない雰囲気はなくなっており、レイトンは静かに口元をゆがめた。
彼等二人の姿をただ見守るしかなかったレミとルークは、二人の信頼関係が、強く深くそしてどこか寂しくも見えた。

しかしそんなことを聞けるはずもなく、一行は東の住宅街へと向かったのだった。


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