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追憶【レイトン教授】

第5章 【魔人の笛】第二章――世界の終わりを予言する少年――






玄関へ向かい外へ出ようとする彼らにメイドが声をかけてきた。
どうやらこの時間にルークが出かけるのが珍しかったようで、話しかけたらしい。
そしてメイドはレイトンにも用があったらしく、一枚のメモを渡してきた。

「さっき、執事のドーランドさんにこれを渡されたんだけど、走り書きでどれの事か分からないんだよ」
「メモですか、どれどれ……」
「うわ、本当に汚い」
「なるほど。これはこのカーテンの事を示していますよ」
「ああ、そういう事だったんだねえ。これでドーランドさんに怒られなくて済むよ」

ナゾが解決したようで、安心したメイドは安堵のため息をついた。
そして彼女曰く、ドーランドの字が汚くて読めないのは今回だけの話じゃないとのこと。
以前は綺麗な字でメモを渡してきたと言うが。
トライトンが町長になってから仕事が増え多忙になってきたのが原因ではないかとメイドは言う。

「こういうところも手を抜かずに、今まで通りやってほしいところよ」

ひとしきりメイドの愚痴を聞いたところで、彼らはトライトン邸の外へと出た。
その間は自分のメモ帳を見直して、できるだけ丁寧に字を書くようにしようと心に誓った。
その様子を見ていたレイトンはくすりと笑う。

「なに笑っているんですか、教授」
「いや、なんでもないよ」
「……ルーク、エリーノースに行くにはどうしたらいいのかな」

レイトンの視線に気づいたは何か言いたそうに口を開くが、それをルークに向けた。
今ここでレイトンが何を考えていたか問い詰めるのは、調査に無関係であると同時に時間の無駄だと判断したからだ。

エリーノース3番街は、ボート乗り場を抜け十字路を北方向へ行けばいい。
レイトンたちがこの町に着いた時会った、ふわふわの髪の男の子チャーリーが避難してきた地区。
3人の頭に浮かぶのは、一番初めに出会った男の子のこと。
エリーノースから逃げてきたと言うが、今になって合点がいった。





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