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眠り姫の物語【ツイステ】

第5章 ユニークなトランプ達は踊る




そんなデュースを相手にはしないで、フィリップは再びオーロラとリドルのダンスを見守る。

「……」

そんな熱い視線を送る彼に、少しだけ挑発するみたいにトレイは言った。

「…フィリップ王子様、そんなにオーロラ姫様の事が心配ですか?」

そんなトレイの心が伝わったのだろうか。

フィリップは些かカチンと来た。

「別に。オーロラは俺の許嫁だぜ。

他の男とダンスするぐらい、何も問題ねぇよ」

「…絶対ですか?」

「絶対だろ」

隣で一部始終を見ていたデュースは思った。

フィリップはさきほどから、問題ない。とか、絶対。とか。

強気な言葉を使ってはいるが、それとは裏腹に。表情は不安げだ。

綺麗すぎる許嫁を持つというのも、大変なものだなと。

「…フィリップ王子様。

絶対に大丈夫な恋。なんて、そんなにつまらない物はありませんよ」

「………」トレイさん…

明らかに喧嘩を売っているとしか思えないトレイの言動に、デュースはハラハラした。

しかし、フィリップは意外にも明るく返す。

「お前…っ、性格悪いだろ。絶対友達になりたかねぇタイプだ!

っつか友達いねーだろお前!」

「……ははっ」

「笑って誤魔化してんじゃねぇか…」

デュースの目には、2人が楽しく会話をしているように見えて来た。



『なになに?楽しそうね!皆んなで何の話をしていたの?』

やがてダンスを終えたリドル達が、3人の元に帰ってきた。

すかさずそれに答えようとするのはトレイ。

「いや、それがですねオーロラ姫様。フィリップ王子様が

それはそれは立派なヤキモチを焼い」

「それ以上口開きやがったらクビ飛ばしてやんぞ緑」

トレイの言葉を遮るフィリップ。それに素早く反応するのはリドル。

「それは聞き捨てならないね!トレイの首をはねてもいいのはボクだけだ」

「えーと…出来れば、どっちも遠慮願いたいんだが…」

「モテモテですね!トレイさんは」

「今すぐ変わってやろうか?デュース」
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