第26章 眠り姫の物語
「何やってんですか、3人揃って」
そんなやりとりを、実はずっと見ていた人物がいた。彼は、ついに痺れを切らして声をかける。
その声の主は…
「「「エース!!」」」
「どーも」
どうしてここにいるのかと、3人が口々に問う。彼はウィンクを1つ飛ばしてから、答えを口にした。
「実は、オレも招待状貰ってたんですよねぇ。で!3人を驚かせたくて、わざわざ単独で来ました。サプラーイズ!」
「なんて無駄な事をしてるんだい…」
「というかエース お前、招待されるくらい、ローズと接点があったのか?」
「んー、まぁ ちょっとね。そこはほら、オレとお姫様だけの ひみつ♡みたいな?実は意外と、ふかーい仲だったりして?」
「それはないね」
「ないですね」
「え、何その自信…。軽くショックすわ。それよりいいんですか?
2人がオレに構ってる間に、トレイ先輩がまたドレスの色 変えちゃってますけど?」
エースの言葉を受け、すぐさまリドルとデュースは ホールの中央へ目を向ける。
すると、彼の言う通り ローズのドレスは再び緑色になっているのだった。
そこから、またドレスの色 争奪戦が行われる運びとなった。
騒がしくする3人の隣で、エースは密かにローズに視線をやる。そして、目を細めて呟いた。
「今度こそ、本物のハッピーエンドってわけだ。良かったな…お姫様」