第24章 誠意の欠片も感じられない謝罪
——ドォォオオン!!
シルバーとセベクの前に、それは落ちた。
空で唸る、雷では、ない。
その証拠に、立ち上がった土煙の中で、何かが動いていた。さらには話し声まで聞こえてくるのだ。
2人は呆気に取られつつも、突如目の前に落ちて来た物体に目を凝らし、耳を澄ました。
「フロイド!!どうして貴方の操縦はそう荒いんだ!もう少しで怪我をしてしまうところでしたよ!」
「はぁー?なにそれ。文句あんなら自分の乗ればいいじゃん」
「アズールに速度を合わせていたら、夜が明けるどころの話ではないですよ?
ほら2人とも、今は喧嘩は置いておいて、目の前の役割を果たすとしましょう」
1人無難に着地を決めたジェイドは、にっこりとシルバーとセベクに微笑んだ。
砂煙がようやく落ち着き、フロイドとアズールの姿も2人の目に映る。
初めての襲撃者?に2人は、しどろもどろだ。
「つ、ついに、この城にも敵襲が!ようやく僕が若様のお役に立てる瞬間が来たのか!よし、やつけよう、やつけようシルバー!」
「待てセベク、もしかすると、客かもしれない。早まるな。まずは話を聞いて」
「はじめまして!私は オクタヴィネルからの使者で、名をアズール アーシェングロットと申します。どうぞ、お見知り置きを」
丁寧なお辞儀と言葉遣いに、2人の警戒色は若干和らいだ。それを感じ取ったアズールは、少しずつ前へと足を進める。