第23章 呪われし姫の帰城

やり遂げ、退室を果たしたジェイドの肩は、普段より幾分落ちているように見受けられる。

そんな彼を横目に、次こそは自分だと一歩前へ進み出たのはアズール。しかし。それを遮るように、ある男が ビシっと手を真上に上げる。

全員が、挙手をした者の方へ注目せざるを得ない。
そんなふうに注目を集めた男は…

デュース スペードであった。

彼は、リドルとトレイへ向き直る。


「あの、次は僕に行かせて貰えませんか。

こんなお願い…2人を差し置いて、おこがましいのは分かってるんですけど！でも…

俺、まだ大切な事を何も伝えられてないんです！いま、ローズに自分の気持ちをぶつけない奴は…男じゃないと思うんで！

お願いします！」


今度は、勢い良く頭を下げる。泣き腫らした目をギュッと瞑って、デュースは懇願した。そんな彼を見て、リドルとトレイは小さく頷いた。