第14章 我儘になりたいクイーン
「え……衛兵!衛兵!!早くっ、早くこの悪魔のような2人を引っ捕らえて!!そして一刻も早く、首を跳ねて!
これは、女王である私の命令よ!!」
瞬刻 面食らった衛兵達であったが、女王の命令であれば 従わないわけにはいかない。
一斉に2人に向かって動き出す。
リドルは素早くローズの前に踊り出る。
しかし。そんな彼の前に2人の男の影が現れたのだ。
「やっとオレの出番じゃね?待ちくたびれた〜」
「フロイド!!」
1人目は、フロイド。
「金魚ちゃ〜ん、元気そうだねぇ。最初の土下座 ちょう面白かったー。アハッ」
「リドル先輩!やっぱり1人で戦ったんですね!俺…そうとは知らずさっきは酷い事言っちまって…。
っ、アンタ男だっ!加勢します!!」ぐす
2人目は、城を去ったはずのデュースだった。そして何故か涙ぐんでいた。
彼は、森の家へと向かうところを エースに呼び戻されたのだった。
「デュース…、ありがとう。
あとフロイド、ボクは土下座なんかしていない」
ここに、優秀な魔法士が3人揃った。
フロイドは、温存していた魔法力を集結させている。早く戦いたくてうずうずしていた。
デュースは、自らの拳と拳を突き合わせ 暴れる準備は満タン!といった様子。
リドルは白いマントを翻し、熱い闘志を炎に変える。
今まさに、最恐の親子ゲンカが幕を開けようとしていた。
と、そんな時だ。
またこの部屋の扉が、ゆっくりと開かれた。
入って来たのは、トレイ。その額にはうっすらと汗を浮かべている。
入室してすぐ彼が頭を下げると、その後ろから ある人物が謁見室へと足を踏み入れた。
その人物こそ…
ハーツラビュル国王。そして、リドルの父親でもある男だ。