第7章 真実の愛を見付ける為に
『…眠りを覚ます、方法は…』
ローズの口から紡がれる、一文字一文字を。全員が待っている。
座りの悪さを感じながらも、彼女は言葉を続けた。
『愛する者からの、口付け。
真実の愛が、そこにあれば…私はきっと、長い眠りから目覚める事が出来る…
はず。多分…。きっと、、』
「はず…」
「多分」
「きっと…」
リドル、トレイ、デュースの3人は。ローズの弱々しい語尾を復唱するのだった。
その様子を見て、フロイドはくつくつと笑っている。
『し、仕方ないでしょ?私には本当に呪いがかかってるかとか、その力が弱まったとか…分からないんだもん。自覚症状なんてないんだから!』
彼女にはたしかに呪いがかかっており、そしてたしかに効力は弱まっているが。
ローズが言う通り、それを彼女が現時点で確かめる術はない。だから本人も憶測で物を言うしかないのだ。
「でもなんにせよ、それを聞いて俺は安心したよ」
トレイは、ほっと息をついて彼女に言った。それにデュースも便乗する。
「僕も同感だ。よかったなローズ。だって、その条件なら…
君にはフィリップがいる」
『…う、うん』
リドルは、ローズが顔を伏せてしまう瞬間を見逃さなかった。
安心した様子のトレイやデュースと違い、どことなく不安気なローズ。
「…ローズ?どうしたんだい?浮かない顔だね」
優しく問いかけるリドルに対し、全く言葉を選ばない男が追撃する。
「あ〜なるほどぉ。お姫様は、フィリップの事を愛してないんだ〜」
「「「!!」」」
3人は、聞いてはいけない事を聞いてしまったような。そんな泡を食ったような反応で顔を見合わせた。
慌ててローズは否定する。
『そ、そんな事ない!私は、フィリップの事好きよ。とても大切に思っている』
そんな素直な彼女の言葉を受けて、チクリと胸に痛みを覚えたのは…
4人の男達。
リドルやトレイは、なんとなくこの痛みの原因が分かっていた。
しかしデュースは、なぜ自分の胸が痛んだのか…分からない。
フロイドに至っては、この痛みを無かった事にしようとした。
他人の言動ひとつで、自分が一喜一憂する事実など。認めたく無かったのだ。