第7章 真実の愛を見付ける為に
小さなテーブルを、5人で囲む。
外に出ていたリドルとローズも、トレイに呼ばれて合流したのだ。
「それで?キミの話っていうのは?
でたらめだったらタダじゃおかないからね」
リドルが目を釣り上げるように、フロイドに詰め寄る。
「そんなふうにカリカリしなくてもさぁ〜。
良い知らせなんだって言ってんのに。喜びなよ♪
せっかくお姫様の呪いが弱まったんだからねぇ」
フロイドがそう言った瞬間、全員がローズに注目した。
「どういう事だい?」
「呪いが…弱まった?」
「ローズ!」
リドル、トレイ、デュースはそれぞれ驚きから声を発した。
しかし今1番驚いているのは他でもないローズだ。
どうしてフロイドが、その事実を知っているのか。この事はリリアと自分の秘密だったはずだ。
チラリと、フロイドの顔を盗み見るローズ。
するとその視線にすぐに気が付いたフロイドは、ニヤァと唇を歪めた。
その顔を見た瞬間、ローズは悟った。フロイドから、どのようにしてその情報を得たのか問いただすのは無理だ、と。
ローズは腹を決める。
『うん。本当。
どうしてフロイドがそれを知っているのかは分からないけど、それは確かな事実よ。
ある…良い魔法使いさんがね、私にかかった呪いの効力を弱めてくれたの。
呪いを解くのは無理だけど、弱めるくらいならなんとか。って…』
ローズはどのみち、彼等には話すつもりでいたのだ。
それくらい、この3人の事を彼女は信頼していた。
『…仮に、私が糸車のつむに触れてしまっても、死にはしない。
ただ、眠りにつくだけだって』
「その眠りを覚ます方法が〜面白いんだよねぇ?」
フロイドは、テーブルの上の一輪挿しに飾られた薔薇の花弁をつつきながら言った。