• テキストサイズ

眠り姫の物語【ツイステ】

第7章 真実の愛を見付ける為に




何が起こったかというと、トレイが部屋を明かりで照らしたその瞬間。

彼等のすぐ目の前に、ぼぅっと誰かの顔が浮かび上がったのだ。

それは勿論、4人以外の人間の顔だった。だからそれを目の当たりにし、飛び上がるほど驚いたのだ。

「だっ、誰だ!!」

リドルは魔法を使い火の玉を精製して、声を張り上げる。

その光により、やっと部屋の中は室内が把握できるほどの光度を保つ。

「ローズ、下がれ!」

デュースの伸ばされた腕の、すぐ後ろに匿われるような格好になるローズ。

『えっ!?誰かいるの?』

彼女は口に手を当てて、目を見開く。

そこにいたのは…。

「アハハっ、うわぁ!って、うわぁって言った。アハハ!おもしろ〜。超うける〜」

腹を抱えて笑い転げる、フロイドだった。

『フロイド!?どうして、』

「キミが、どうしてこの場所にいるんだい?」

ローズが続けようとしていた言葉と同じものを、リドルが告げた。

フロイドと彼女の間に、リドルが割って入る。

トレイはいつの間にか玄関の前に移動して、デュースは窓の前を陣取っていた。

それはフロイドを逃さないための陣形なのは明白。

なんとも言えない重苦しい空気が、狭い室内を満たしていた。

そんな空気を美味しそうに吸い込むが如く、フロイドは大きく深呼吸して。真っ直ぐリドルに向き直った。

「どうしてって…?後をつけたに決まってるでしょ〜?

逃がさないよ?お姫様♪アハっ」

この非常時を、心の底から楽しむようにフロイドは笑ってみせた。

「コイツ…っ、何を楽しんでやがんだ、ローズが大変な目に合ってるってのに!許せねぇ!」

「同感だな。それに…ここを知られた以上、簡単に見逃すわけにはいかない」

トレイとデュースが、臨戦体制を整える。そんな2人を見て、フロイドはゆらりと体を揺らして、言った。

「…はぁ?なんで勝てるつもりに、なってるわけ?」
/ 526ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp