第1章 もっと。
「こちらを見て?」と優しく言われ、ゆっくりと顔を上げジェイド先輩を見る。吸い込まれそうなオッドアイ。まただ。告白されたときもそう。この目に見つめられると、もう逃げる事はできない。
私の目を見ながらジェイド先輩が口を開く。
「─ショック・ザ・ハート─(かじりとる歯)」
一種、目眩のようにくらっとする。何が起こったのかよくわからなかった。
「先輩…?」
「監督生さん、もう一度尋ねます。昨日のいちごのデザート、いかがでしたか?」
同じ質問をされ、どうしようかと思っていると、突然私の口が勝手に動き出した。
「いちごのデザートは、食べていません。…って、え???何で???」
口が勝手に動いて、本当のことを言ってしまう。手で口を押さえようとするとその手はジェイド先輩に握られ言葉を続ける。
「おやおや、食べなかったんですね。では、モストロラウンジには何をしに?」
「モストロラウンジには行っていません、フロイド先輩の部屋へ行きました。
っ…何で、何で勝手に口が動くの?!」
「これは僕のユニーク魔法、ショック・ザ・ハート。この魔法は本当の事を教えてくれるんですよ、見せた事ありませんでしたか?」
ジェイド先輩のユニーク魔法に驚き体が震え出す。
「ご、ごめんなさ…い…ごめんなさい…」
「昨日は何を…?」
「フロイド先輩とエッチな事をしちゃいました…フロイド先輩…が、ジェイド先輩の真似をして…私…ジェイド先輩にされてるみたいで…ぅ、っ…ごめんなさいっ…」
こそっと耳元で聞かれれば、言いたくないのに昨日の出来事を話してしまう。目からは涙が溢れてくる。ジェイド先輩に、失望される…。
「フロイドが僕の真似を…?そうですか。では、最後にもう一つ。
僕のこと、どう思っていますか?」
「私は…ジェイド先輩の事が…好きです…」