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【ヒロアカ/轟焦凍】私のヒーロー、君のヒーロー

第10章 進む


楓風は、約束の二時間前の7時に、アラームで目を覚ました。
いつもは目覚めが悪くすぐに起きられないのに、なぜか今日は目覚めがとてもよかった。

すぐにシャワーを浴びて、朝食を食べ、髪やメイクを済ませる。
準備が終わってもまだまだ時間があったため、お菓子を作ることにした。

(どうしようかな…すぐに出来る…クッキーがいいよね
焦凍は和菓子が好きだから、抹茶味がいいかも!!
玲さんも好きだったはず!!)

作るものを決め、手早く作り始める。
料理やお菓子作りは、共働きでなかなか帰ってこない両親のこともあり得意である。

焼き終わってラッピングしていると、インターフォンがなった。
モニターには焦凍の顔が見えた。
時計を見ると、9時丁度(秒単位)で感心しながら
『ごめん、手離せないから勝手に入って!!』
と伝えると、玄関のドアが開く音が聞こえた。

そしてなぜ場所が分かったのかキッチンまで来て、
「…久しぶりに入った気がする」
とキョロキョロしながら言った。

『何で場所わかったの??』
「いい匂いがした。何作ってたんだ?」
と顔を覗かせる焦凍に、不覚にもキュンとしてしまう。

『クッキーだよ!!
はい、食べてみて』
とラッピングしていないものを1つ取って差し出すと、焦凍は楓風の手からそのまま食べた。
(…そ、そう来る!?不意討ち危険…!!)
「…上手い。」
『ふふ、良かった!!
じゃあこれ、ラッピングしたやつね』
クッキーを詰めた袋を渡すと、
「ありがとな」
と言いながら頭を撫でられた。

『…子供扱いしてるっ…?!』
恥ずかしくなって冗談で言うと、
焦凍は一瞬考える顔をすると、お皿にあったクッキーを一枚取って、楓風の口にくわえさせた。
「…じゃあこっちか?」

と呟くと、口を開けて顔を傾けながら近付き

ポッキーゲームのように楓風の口から飛び出ている部分のクッキーにサクッとかじりついた。

唇と唇が軽く触れあって、

離れた。

『…不意討ちだめ……!!』
「楓風が可愛いこと言うからだろ」
『い、言ってないでしょ!!
もう、早く行こう!!』

顔を赤くする楓風を見て、フッと笑い

楓風をいじめるのが楽しくなってしまった焦凍だった。
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