第9章 君のヒーロー
飯田の超スピードのおかげで、
無事緑谷の100万をゲットした。
その超加速には、チームのメンバーも驚いた。
「飯田!何だ、今の…」
「トルクと回転数を無理矢理上げ、爆発力を生んだのだ
反動でしばらくするとエンストするのだがな
クラスメイトにはまだ教えていない、裏技さ
言ったろ、緑谷くん
君に、挑戦すると!!」
ドヤ顔をして見せる飯田。
『すごいね!!びっくりした!!
でもまだ安心しちゃだめだよ飯田くん!!相手は取り返しに来るハズ!!』
(そしてその超加速、担いでるから少しは劣るけど頑張れば私もノーリスクで出来た………
なんて絶対に言わないけどっ!!)
と複雑な心境の楓風なのだった。
そして再び向き合うと。
緑谷チームが、正面から突っ込んで来た。
轟は咄嗟に左で防御すると
火を纏う。
(焦凍、頑張れ…!!…ってあれ?そういえば頭の鉢巻きが
ない!!!!)
一瞬火を纏った轟だが、
(左…!俺は、何を…!)
無意識だったのか、気付いて火を引っ込めてしまった。
楓風は咄嗟に風でカバーするものの、緑谷達の位置が悪く上手く当たらない。
空気の圧縮は今は自分達にとっても邪魔になってしまう。
その迷いの一瞬で
一番上の鉢巻きが
奪われてしまった。