第8章 すれちがい
家まで送ってくれるというので断ったものの、「てめぇの家どこにあんのか教えろ」と言われて引き下がらないため、送ってもらうことに。
他愛もない話をしながら、あっという間に家に着いてしまった。
『なんかあっという間だった!!
楽しかったし、いつの間にか落ち込んでたの吹っ切れてたよ、ありがと!!』
ウジウジ考えて、落ち込んでたのが嘘みたいにすっきりしていた。
「ならよかったわ
…せいぜい俺に感謝しろや」
照れ隠しなのかそっぽ向いていう勝己。
楓風は意地悪も込めて、
『本当にありがとう、またデートしようねっ!!』
と目が合うように近付いて言った。
勝己は、そのまま数秒ジッと楓風を見つめると、
先が尖った形のいい顎を持ち、
楓風の唇に自身の唇を重ねた。