第7章 恐怖
「今のうちに早く避難を!!」
避難しようとすると、相澤先生の一瞬の隙を見て黒い靄のような敵が目の前にワープしてきて、「させませんよ」と立ちはだかった。
13号とA組生徒全員に近付いて来ると、目的を悠長に話し始めた。
「………~、平和の象徴、オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして。
本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズですが…なにか変更があったのでしょうか?」
その口ぶりは敵のイメージとはかけ離れていて、妙に気持ちが悪い。
(やっぱり情報が、漏れてる…!!
一体どこからそんな…
なんのために…!!)
「まぁそれとは関係なく、私の役目はこれ」
そう、静かに言うと、黒い靄が広がった。
すると切島と爆豪が、
「その前に俺たちにやられるとは思わなかったか!?」
と飛び出した。
『ダメ!!』
(二人がいたら先生は吸い込めない!!
それに個性はワープ、バラバラにされたら危険…!!)
「危ない危ない…生徒とはいえど、優秀な金の卵」
(こいつは…私達を散らして殺すつもり…!!)
「ダメだ、どきなさい二人とも!!」
13号の叫び声は間に合わず、全体が黒い霧につつまれてしまう。
楓風は咄嗟に風を出して靄を消そうとしたが、周りにはクラスメイトがいるため出来ない。
目の前が真っ暗になる。
(…みんな、無事でいて!!)
クラスメイトの安否を祈りながら、私は戦闘に入る体勢をとった。