第5章 負けず嫌いと負けず嫌い
風を一点に集中させて出し、剣のように攻撃する。
楓風の動きも、風も動きが早くて飯田ですら避けられない。
「うわっ!!」
攻撃を食らった飯田は動けなくなった。
『これでも威力20%くらいなんだけどねっ!!』
楓風は素早く飯田の拘束に取りかかる。
後は核を回収するだけ。
「ナイス楓風ちゃん…!!
よし、回収…」
「壁、だんだん脆くなってたぞカスが!!」
するとそこに爆豪の登場。
麗日は核まであと5m。
楓風は飯田の拘束中。
爆豪を視界に入れてからわずか0.5秒。
楓風の脳内はフル回転。
(やばいっ!!
どうすれば…!!このままだとお茶子ちゃんは勝己くんに捕まる…!!
でも拘束まだ終わってないから勝己くん止めに行けないし、拘束するの諦めて止めに行ったらその隙に飯田くん復活して敵増やすことになる…!!瞬発力と速さに長けた二人だから、その一瞬でもう勝ち目はなくなる!!
…あぁあ、空気の圧縮で個性使いすぎた、あれキツいんだよなぁ
頭回んなくなってきた!!
…時間ももうない、もう一か八かでっ!!)
爆風を発生させて上に飛び上がり、麗日の背中に風を送り、手を爆破させながら麗日に近付く爆豪にその勢いのまま抱きついて動きを封鎖した。
ぶつかった勢いで二人は床に叩きつけられた。
麗日が核に触れ、無事(?)ヒーローチームの勝利となった。
『…っ、痛たたたた…』
「っおいプライド女てめぇ何しやが……っっっっ!!!!!!」
爆豪に抱きついたまま落ちた楓風。
楓風を咄嗟に支えようとした爆豪は…
「わ、わ、ちょ!!それはあかん…!!」
『?………………っっっ!?バカ!!!!!』
世でいうラッキースケベというもの。
爆豪は楓風の胸を下から押し付けるように、思いっきり触ってしまっていた。