第11章 天然と鈍感
『…あ、そうだ
またしばらくママとパパ帰ってこれないって言ってたから、今度家来てよ!!なんならついでに泊まって行ってくれても!!』
楓風は、ふと朝に両親が言ってた言葉を思い出して、焦凍に伝えた。
彼女自信、鈍感なため自分がとんでもない発言をしていることに気付かない。
「…俺はいいんだが…。
楓風は、付き合ったばかりでもいいのか」
(俺は今までずっと必死に抑え込んできてる…
だから準備なんてとっくに出来てるが
女子はそういうの気にするんじゃねぇのか??)
そして焦凍は天然ナチュラルイケメンボーイなため、言葉をそのまま受け取り、恥ずかしがったり疑ったりしない。
そして自分の欲にも割と正直なのだ。
それが悪いことだと思っていないから。
『…ん??別にそんなの気にしないよ
今日来てくれても…』
そして楓風は鈍感でも人並みに、それ以上に知識はあるため、気付いた。
(…え、まて、もしかして…)
「…そうか。
俺はずっとしたいの我慢してたんだ
遠慮しないで、行くぞ」
(…誘ってる感じになってた!?
そっか、そうだよね!!ご飯作るから食べて、そのついでに泊まってって意味で言ったけど
普通に考えたら…親いないから家来てとかもうそれでしかないわ!!ついでに泊まってとかもうあからさま!!わぁ恥ずかしい!!!
しかも追い討ちかけるように今日とかまじか!!
まって、下着今日は運動用の…っていうか心の準備!!)
『いや…あの……』
楓風は、さすがに今日は、と断ろうと焦凍の顔を見た。
「…??」
するとそこには、遠足前の小学生のような目をした男子高校生がいた。
『な、何でも…ないです……』
(私付き合ったその日に自分から誘うとか、
変態だと思われちゃったかな…
でも焦凍の顔見たら、とても断る気にはならないなぁ)
そして楓風は自分でも気付いていなかった。
決して焦凍と性行為をすることが嫌とは微塵も思っていないということ。
彼女が気にしているのは、自分が変態だと思われていないかと下着のことだけだということに。