第71章 meow
カカシはまず、動作からゆっくり丁寧に教えた。
「まずは契約者の血が必要だ。唇や指先を噛み切ったり…どこか血が出てるなら何でも良い。
次に印を結ぶ。亥・戌・酉・申・未の順だ。
ま!いうまでもないかもしれないが、この時チャクラは他の術同様、しっかり素早く練り上げておくように…
そして掌をついて術式を展開すれば、契約した相手が呼び出されるってわけ。
口寄せの術ってのはいわゆる時空間忍術の一種だ。」
『なるほど…カカシみたいに、巻物なんかを使って呼び出すこともできるの?』
「ああ、そこに術式が書き込まれているならね。契約者の血とチャクラを使ってそれを展開すれば契約した相手が現れる。
もちろん、動物以外の契約の血が必要ないもの…例えば人間だとか忍具とか、水や炎などの物質なんかも予め術式に組み込んでおけば、必要な時に呼び出したり取り出したりして使うことも可能だ。
ま、オレが忍犬たちを呼び出すときはこうするよ……忍法・口寄せの術!」
カカシはカリっと親指の端を歯で噛み切り、胸の巻物ホルダーから取り出した小さな巻物に勢いよくその血を擦りつけた。
地面に口寄せの術式が展開される。
そしてカカシの周辺に白煙が上がり、ボフン!とどこか気持ちよさを感じさせる音がした。
「何の用だカカシ。今日は二度も呼び出して…またさきのご機嫌の為にではないだろうな?」
その声の主、空区に着く前に既に帰ってもらっていたパックンと、彼を含む八匹の忍犬が姿を現した。
それと同時に周囲にいた猫たちが一斉に毛を逆立て、尻尾を太くして威嚇し始めた。
…まあ、彼らのテリトリーに突然犬が現れたのだから、怒るのも当然というか、無理はない。
カカシの忍犬たちはオロオロと顔を見合わせて「一体何事か」と話し始めた。