第71章 meow
「仕方がないね…猫又本人は口寄せの契約なんてしてくれやしないだろうし、したところであまり役に立つとは思えないけど、ヤツに忍猫を紹介してもらうといい。
きっとお前さんの力になってくれる子がみつかるさ。」
『えっ…猫又に会わせてくれるんですか?』
「ああ。ヤツは忍猫界を裏で牛耳っていてね、普段は絶対に姿を見せないのさ。
突然人間が押しかけても、話を聞いてくれるわけもないからね…
この子達に行かせよう。さぁ、アンタたち、猫又を呼んでおいで。うちでお客さんが待ってるとでも伝えてきな。」
「了解ふにぃ」
「猫又だなんて、なんだか懐かしいふにぃ」
猫バアの指示に従ったのは猫のデンカとヒナだ。
わざわざここに来させるだなんて、こちらが用があるのになんだか申し訳ないのだが…そう思っているうちに、二匹の姿はなくなっていた。
「アンタはこれを付けてなよ。猫の言葉が分かる代物さ。」
猫バアは白色の猫耳カチューシャをさきに渡した。
さきとカカシは揃って、何だこの怪しい道具…と疑り深い表情のまま互いに顔を合わせる。
実はそのカチューシャが、つけるだけで猫に同族だと思われ、猫語を理解し話すことも出来るようになる優れものだということは二人は知らない。
さきはそれを付けることなく、腰のポーチにしまった。
「…ま!話も良い方向に進んでいきそうだから…さき、この辺で口寄せの仕方を教えておこうか。」
『うんっ』