第71章 meow
『この写真の猫ちゃん…とても大きいんですね』
「猫ちゃんたって…本物を見たらそんな風には呼べないほど、それはそれは大きな猫だよ?
猫又というのさ。名前くらいは聞いたことがあるだろう?妖怪として有名な…」
「猫又??もちろん知ってます!尻尾が二つに分かれてて、化け猫とか妖怪としての言い伝えが多いですけど、どれも長寿の猫の象徴ですよね…!いいなあ…会ってみたい」
「…詳しいんだな、さき」
「猫好きやからね!」
さきは目をキラキラと輝かせて好奇心いっぱいの表情を浮かべる。
『猫又ってね…』と、だれも訪ねていない猫又伝説をつらつらととても楽しそうに話すのを、カカシは優しい笑みで「へー」と受け止めていたが、それを見ていた猫バアは明らかに驚きで瞠目していた。
さきの言う通りではあるのだが、そのように考える人間はなかなかいないからである。
猫バアは、「この子ならもしかすると…」と考える。
そして、口にしていた煙管を片付け始めた。