第71章 meow
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翌日、さきとカカシは、大蛇丸の件で里に帰ってきたのであろう自来也に呼び出されていた。
カカシはさきが自来也と面識があることに驚きはしたが、さきの受験した中忍試験の本戦までの間の話を聞くと、何となく合点がいったようで…
さきもまたそこで初めて、カカシが教わった四代目火影を教えた張本人が自来也であることを知った。
(なるほどね、納得した。そりゃ自来也様も見ず知らずの私に手解きしてくれるわけだわ…)
さきら三人は、ある建物の屋上で待ち合わせていた。
『自来也様!』
さきは鉄パイプの手すりに両肘を預け、里の様子を眺めている大きな後ろ姿に声をかけた。
「お~さき来たか!…おォ!木の葉ベストじゃねーの!!
よーく似合っとるのォ~特別上忍だと聞いたが?」
さきの身に着けた木の葉ベストを褒める自来也はどこか誇らしげで、満足そうな満面の笑みを浮かべていた。
さきとしては、もっと早くに特別上忍になった旨を伝えるべきではあったのに、そうしようとしたものの肝心の自来也はすっかり行方をくらませており、会うどころか消息不明の状態だったのだ。
今回里に自来也が帰ってきていたことも、正に自来也本人に呼び出されて初めて知ったほど。
『すみません。もっと早く伝えたかったんですが…何せ自来也様の行方が全く掴めなくて』
「そんなの構わん!よかったのォ!
ん…それと、カカシも随分と棘が無くなったようだのォ」
「お久しぶりですね…里に帰ってこられたのは何年ぶりですか?」
自来也はカカシの先生の師匠とはいえ、この二人が会うのは年単位でどのくらいぶりなのかも分からないそう。
自来也は再びさきらに背を向けて、少しの沈黙の後、普段のおちゃらけた雰囲気をいっぺんに変えて、真剣な声色で話し始めた。