第69章 予選開幕-5-
その時―――――
「!!」
リーは、間違いなく気を失って倒れていたハズだった。
五門を開けて、手足まで潰され、立てるハズなどないのだから。
だから、カカシを含め、会場中の誰もが息を飲み、驚いた。
ミシミシと体から異音を発しながら立ち上がり、体術の構えをとるリーを見て。
リーとガイの間にある絆がどのようなものかまでは、カカシたちには分からない。
しかし、リーは己の全てを尽くし、文字通り「命懸け」で戦い、ライバル達と戦うための舞台を目指した立派な忍者である事をこの場所に居合わせた全忍に示したのだ。
――ーリーは、医療班により忍として生きていく事はもうできない体だと判断された。
カカシは、リーを担架に乗せて連れていく医療班に、どうにかしてくれと嘆願するナルトの口と体を抱き締めるように抑えた。
(ナルト…お前の気持ちは分からんでもないがな…)
「捨て身の禁術まで使って勝ち残ろうとした決意の…その結果だ…あの子はサスケやネジ君…そしてナルト…
お前達との言葉の要らない約束に殉じた…!!彼は命懸けで…お前達と戦うための舞台を目指したんだよ…
それを忘れるな…」
カカシがナルトの体から手を離し、頭を撫でてやると、ナルトは床を見つめて黙り込んだ。