第69章 予選開幕-5-
その後はまず、日向家のネジとヒナタの親戚同士の試合となった。
宗家と、分家の間にある昔からの掟。
―――それはネジの人生や価値観を構築してきた禍々しいものだった。
自分の運命を憎み、宗家を憎むネジは、自分が分家で、ヒナタが宗家の人間であることを変えられないように、「エリートはエリート、落ちこぼれは落ちこぼれ…自分を変えようだなんて思ってもそれは絶対に出来ない」と言い切った。
ヒナタはそんなネジのプレッシャーに拒絶反応を起こし、今にも泣き出しそうな精神状態に追い込まれていた。
しかし、
「出来る!!!人のこと勝手に決めつけんなバーーーカ!!!ンな奴やってやれヒナタ!!」
ナルトの声援で落ち着きと勇気を取り戻したヒナタは、果敢にネジに立ち向かった。
―――血継限界の白眼と、日向流柔拳体術。
構えも攻撃の仕方もよく似た二人は、カカシのように熟練の写輪眼のような洞察眼にのみ見えるチャクラの通り道「経絡系」を攻撃し、内蔵へのダメージを与えていった。
しかし、ネジの方が実力は上だった。
彼の目は経絡系どころか、経絡系上の361個の経絡系のツボ、点穴をも見切っていたのだ。
カカシによると、優れたカカシの写輪眼でさえも見切ることは出来ないらしい。
その点穴を突かれたヒナタは、一気にネジのペースに持ち込まれ…圧倒的な力の差により、忽ち試合の決着が着いた。