第68章 予選開幕-4-
―――――ー ガッ!!
「う!!」
一体目が、力任せに思い切り拳をキバにぶつける。
そして二体目が、そのナルトの背を踏み台に宙返りで空中高くに飛び上がった。
「ず!」
「ま!」
「き!」
三体目…そして、四・五体目がスライディングでキバの下に潜り込み、順番に蹴り上げた。
蹴りあげられたキバの真上には、先程の二人目のナルトが踵を振りかぶって構えている。
彼はそれを容赦なく振り落とし…―――
―――――― ゴッ!!!
「ナルト連弾ー!!」
―――…キバを地面に打ち付けた。
ナルトの体術が見事に炸裂したことに、観戦している殆どの人が目を見開いて驚いた。
『わぁ…!アレさっきのサスケくんのよねぇ!すごーいっ!』
「新技ねェ…さっきサスケの技見てたからな…アイツ」
拍手をして喜ぶさきの隣にはなんだパクリか、と半ば呆れ顔のカカシ。
ハヤテがキバに近寄り、試合の続行が可能かを確認する。
そして…
「勝者うずまきナルト!」
ハヤテの勝者コールに会場が湧いた。
ナルトは自身の手のひらをじっと見つめ、確実に力をつけていることを噛み締めるように、グッと強く握りしめる。
そんな姿に、カカシも優しい笑みを浮かべていた。
これで第七班全員の予選が終わった。
一ヶ月後の本戦に望むのは、サスケと、ナルトの二名となった。