第68章 予選開幕-4-
最初に動いたのはキバのほうだ。
「擬獣忍法四脚の術!!」
彼は地面に手を着き、まるで獣のようにして4本足で走り出した。
それももの凄いスピードだ。
あっと気づいた時にはナルトに直接体当たりで攻撃し、ナルトの体は思い切り後方へと飛ばされた。
試合前、挑発的なキバに対して散々メンチを切っていたナルト。
もろに食らってしまった最初の一発で、会場の皆が、「やはり適うわけない…」と呆れ半分で試合を見ていた。
「……ナルト…!」
「大丈夫よね」と確かめるように、サクラはカカシとさきに視線を送った。
視線を送られた二人は、何の心配もしてなどいなかった。
「大丈夫」の言葉に変えて、共にニコりと微笑みを返すと小さく頷き、自信たっぷりにナルトを見つめ直した。
その二人の期待に応えるように、ナルトはゆっくりと体を起こし、立ち上がった。
「オレを ナメんなよ!!!」
闘志の宿ったその目は、真っ直ぐ力強く、キバと赤丸を捉えていた。
さすが、ナルトだ。
「行けーー!!ナルトーー!!」
サクラのがむしゃらな声援が再び会場に響き渡った。