第67章 予選開幕-3-
そしてすぐに、第五回戦が始まった。
対戦相手は砂のテマリと木の葉のテンテンだ。
木の葉の里では大変珍しい大きな忍具を持つテマリと、噂にも聞くテンテンの忍具使いとしての力量への興味もあり、会場にいる皆が二人の試合に注目していた。
そしてちょうど、さきたちの後ろで眠っていたサクラといのの二人が目を覚ました頃。
試合会場内は、歓声などとは程遠い人々の声でざわついていた。
テマリが、テンテンの無数の武器による攻撃を完膚なきまで封じ込めたのだ。
テンテンを受け持つガイも、あまりのその力の差に絶句する他なかった。
「第五回戦 勝者テマリ!」
ハヤテより勝ち名乗りを受けたテマリが、ニヤッと口元を緩めた。
そしてそのまま、自身の手にする大きな忍具の上で気を失っているテンテンを思い切り地面へと投げ飛ばした。
「テンテン!」
いち早く仲間の危険を察知していたリーが場内に降り、テンテンの体を受け止めた。
「………」
まるで道端にゴミを捨てるかのように、あまりに軽々しい軽率かつ悪質な行為。
テマリの態度からは対戦相手への敬意など感じられず、ましてや怪我人の扱いとしては最低なものだった。
その様子を、ガイは黙って見守っていた。
リーはそんなテマリに厳しく注意をするも、彼女は圧倒的力量差のある相手に対し、なぜ気を遣わなければならないのかと持論を展開し、これっぽっちも悪びれた様子は見せない。
そんなあまりにひどい応対に、リーはついに怒りをあらわにした。