第67章 予選開幕-3-
「サスケくんとアンタじゃ釣り合わないし…もう私はアンタより強いしね!眼中ナシ!!」
「アンタ…誰に向かって口きいてんのか分かってんの!!頭に乗んなよ泣き虫サクラがーー!!」
―――サクラは強く逞しい女の子だ。
多分、いのよりも繊細で、きっとどこまでも献身的だろう。
いのはサクラよりもカリスマ性があって、皆を上手にまとめながら、その中でも輝ける魅力のある女の子。
どちらが優れているとかではなく、どちらも年相応に素晴らしい女の子だ。
そして彼女たちは、サスケとナルトの関係のように、どちらもお互いの良い所悪い所をちゃんと見ている。
互いに相手の力量を認め合った相手だからこそ、本気で戦いたいし負けたくないのだ。
「サクラはいたずらに自分の力を誇示したり…人を傷つけるような子じゃあない…いのに容赦されたり、手加減されるのがイヤなんだよ」
そう呟いたカカシの隣で、さきも小さく頷いた。
女子の本気のぶつかり合いなどこれまで目にしてこなかったのであろう…二人のただならぬ空気感にただただ圧倒されたナルトは、その横で表情を凍らせていた。
「なんであんなに2人とも熱くなってんだってばよ?!」
『ハハ…ナルトくんだって、サスケくんに同じように熱くなるじゃない』
「ま、ライバルってのは不思議なもん…ってとこだな」
『…そう言えば、ここにも名物ライバルがいたっけね』
カカシとさきは、隣で試合を見ているガイを横目でチラりと見た。
そして…サクラといのは長い睨み合いを経て、互いに額当てを額に巻いた。
それが彼女達にとっての試合開始の合図となった。