第67章 予選開幕-3-
カンクロウは傀儡師だった。
背に背負っていた大きな黒いものの正体は不気味な見た目の傀儡人形で、一度はツルギ・ミスミが勝利したように見えたものの、傀儡人形と入れ替わっていたカンクロウが相手の全身の骨を砕き、試合続行不可能とみなされ―――カンクロウの予選通過が確定した。
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「まったく!まったく!どいつもこいつも変な奴ばっかりだってばよ!」
「お前が言うなよ」
『アハハ』
「アハハ 言えてるー!」
そう笑えていたのも束の間。
電光掲示板を見上げると、そこには既に次の試合の対戦者の名前が並んでいた。
「笑ってる場合じゃないな サクラ」
「えっ」
「ホラ」
カカシが指さした先には、ハルノ・サクラ vs ヤマナカ・イノの文字。
木の葉の、そして因縁の女の子同士の戦いだ。
『応援してるよ、サクラちゃん』
「うん……この試合は負けられない…さきさん、私の姿見てて…!」
いのはアスマの班員の子だ。
くノ一のルーキーの中でも秀でた才能を持っている。
そして2人は、口を開けばいがみ合いの口喧嘩を繰り返す、サスケを争った恋のライバルでもあり、それ以前に互いを高め合うことのできる友達なのだ。
場内へ降りたサクラは、カチューシャのように付けていた額当てをシュルっと解き、力強く鋭い眼差しでいのを見つめた。
そして次に口角をキュッと上げて笑い、いのを挑発し始めた。