第66章 予選開幕-2-
全く臆することなどなく、余裕綽々といった様子でスタスタと歩みを踏み出す大蛇丸の目には、目の前のカカシの姿など映ってもいない様子だった。
「なぜサスケをつけ狙う…!」
「フン…君はいいわよね…もう手に入れたんだからね…」
大蛇丸は意味深な言葉を並べ、まるでこちらを見下すように不敵に微笑んだ。
「!?」
「昔は持ってなかったじゃない…それ。その…左目の写輪眼!」
「……!!」
コイツの狙いは、写輪眼。
つまり、優秀なうちはの血というわけだ。
カカシはクッとヤツを睨みつけた。
「目的は何だ…!?」
「最近出来た音隠れの里……アレは私の里でね……」
カカシの脳裏には、暗部時代に潜入したことのある奴のアジトや、その配下にある人々の姿が浮かんだ。
里となると人が必要だ。
(……まさかコイツの賛同者や協力者がそんなに…)
「これだけ言えば分かるわよね……」
「くだらない野望か…」
「まあそんなよーなものね…」
大蛇丸は何ともふわっとした答えで、そうだとも、違うとも言わない。
軽く話を交わされ、本心も全く読めない。
教えるつもりもないのだろう。
「―――で、その為には色々…いいコマが必要なのよ」
「サスケもそのコマの……一人ってわけか…」
「違うわサスケくんは……優秀な手ゴマ…そして、今試験を受けている彼らは…ただの…捨てゴマよ」