第65章 予選開幕
だがサスケも自身の体に何が起こっているのか遂に気付いた様子だ。
「ぐうわああ!!」
ものすごい勢いでチャクラを吸い取られているであろうサスケからは、苦しそうな声が上がった。
このままではいけないと、サスケは何とか体制を整えようと体をグッと起こし、
「ぐっ…コノォ…やろォ!!」
相手を力いっぱい蹴飛ばし、ヨロイの手を額から外すことに成功した。
力の有り余るヨロイは、息が乱れ体を起こすのにも精一杯のサスケと違い、もう一度自分に有利な接近戦へと持ち込もうと体制を整える。
(忍術が使えやん中、遠距離戦に持っていくには相手が悪すぎる……)
皆が眉をひそめ、息を飲むようにしてサスケを見守る中、突如大きな声が会場内に響き渡った。
「サスケェ!!てめーはそれでもうちはサスケかあ!!ダッセー姿見せんじゃねェー!!!」
他の誰でもない、ナルトだ。
彼の近くにいた人は突然のその大きな声にビクリと反応し、またサスケもナルトの声援に思わずギャラリーを見上げた。
それをチャンスと捉え、接近戦一方のヨロイは再びサスケへと迫る。
「よそ見してる暇なんて無いだろう!!」
もうサスケに残っているチャクラは僅かなハズだ。
これ以上吸い取られるとチャクラ切れで体が動かなくなってしまうに違いない。
(―――まずい!!)
「……!!」
ぎゅっと唇を噛むさきの隣で、カカシも息をのんだ。
サスケもここまでかと、誰しもが思っただろう。
ところが…